本施設は、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷の低減と高効率処理を両立させた最新技術を結集したものであり、今回の新焼却施設の他にも3月には破砕・圧縮固化のフォーミング抑制剤「エコマイト®」の製造を開始し、ケミカルリサイクルにも力を入れています。
今回稼働を開始した新焼却炉は、燃焼過程で発生したガスは、焼却炉の再燃焼室でさらに加熱した上で減温塔に送り、排ガスを冷却設備で一気に200℃まで急速冷却してダイオキシン類の再合成を防止します。
さらには、電気集塵機でばいじんを除去し、重曹や消石灰を吹き込んで酸性ガスを中和し取り除き、活性炭を噴霧することで臭気を軽減。ダイオキシン類を吸着させた後バグフィルターで重ねてばいじんを除去し、最新の触媒設備によって、最後まで残ったダイオキシン類を分類する仕組みにより、有害物質の排出を極限まで抑制し、周辺環境への影響を最小限にとどめ、地域住民の安心を支える仕組みを確立しています。
さらに、燃焼温度の適正管理と排ガスのリアルタイム監視を可能にする中央制御室の自動化システムにより、施設全体の運転を高精度に制御し、安全かつ効率的な運用を実現しています。
今回の新施設内には、廃棄物の焼却時に発生する熱エネルギーを有効活用する「バイナリー発電機」を設置。
装置を保護するための水冷構造があり、そこから出る温水を使って発電します。
最大送電端発電能力は20キロワット。今まで利用していなかった熱エネルギーを活用でき、発電した電気は工場内で必要な電力に充てる事ができます。
上部・下部のドラム缶投入設備では、ドラム缶を容器に入れたまま廃油を処理できる仕組みとなっているので、上部設備ではエレベーターを利用して再燃焼室に投入します。
下部設備では、専用の処理室でガス化させ、再燃焼室で適正に処理する仕組みとなっています。
本施設は、処理能力や技術面だけでなく、地域社会との共生も強く意識した設計となっており、騒音や臭気の対策にも万全を期しています。
都市産業は、本焼却施設をSDGs(持続可能な開発目標)の観点からも重要な社会インフラとして位置づけ、積極的なSDGsへの取り組みを行い「地球環境との共生」をテーマに持続可能な事業運営を目指します。
【Target 2030】
■環境・資源・創造の確立
■環境負荷の低減
■地域社会への貢献
■ワークライフバランスの実現
また、地域や自治体とのパートナーシップ(目標17)を大切にし、地元雇用の創出や情報公開にも積極的に取り組むことで、開かれた事業運営を実践してまいります。
本焼却施設の稼働により、都市産業は単なる処理能力の強化だけでなく、「環境・社会・経済」の三側面にわたる企業価値の向上を実現しました。
今後も同社は、産業廃棄物の適正処理を軸に、「脱炭素社会」「資源循環型社会」「地域と共に歩む社会」の実現に貢献し続けていきます。
そして、SDGsの視点を経営の中心に据え、「廃棄物から価値を創出する企業」として、次世代に誇れる環境づくりを使命として邁進してまいります。
【施設概要】
焼却方式:向流式ロータリーキルン
主な処理対象:廃油、廃アルカリ、廃酸、汚泥、廃プラスチック類など
排ガス処理方式:減温塔、乾式電気集じん機、バグフィルター、触媒
特徴:中央制御、エネルギー回収、環境配慮設計
富士海運株式会社では、最新鋭のセメント運搬船「竜王(RYUOH)」を、2025年6月27日に竣工いたしました。
本船は、富士海運株式会社(本社:山口県山陽小野田市、代表取締役社長:脇村博之)が船舶管理を行い、東 海運株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:松井伸介)が運航を担当するセメント運搬船となります。
株式会社三浦造船所(大分県佐伯市)で建造され、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構との共同事業として開発されたものです。
「竜王」は、環境負荷の低減と運航効率の向上を追求した次世代型の内航貨物船で、太平洋セメント株式会社のセメント輸送に従事します。
全長113.25m、総トン数5,271トン、載貨重量7,505トンの本船は、最新鋭の省エネ技術と先進的な航行支援システムを多数搭載しており、内航輸送業界における環境対応・船員の働きやすさを両立した新しいモデルケースとして注目を集めています。
環境対応型エンジンと高効率推進システムを採用
「竜王」は、阪神内燃機工業株式会社製の低速4サイクル主機「LH46LAES」を搭載。吸気弁の早閉じと電子制御燃料系統によるミラーサイクル運転を採用し、NOx(窒素酸化物)の排出低減と優れた燃費性能を両立しました。
また、推進装置には新型高効率可変ピッチプロペラを採用し、加えて低摩擦の船尾管軸受と非接触型摩耗センサを搭載。プロペラ軸出力のエネルギー消費を大幅に低減することが可能となっています。
AI航行支援とビッグデータで実現する最適運航
本船では、気象ビッグデータと連携した最適航海支援システムを導入。航路選定から船速の自動調整まで一元管理し、常にベストなコンディションでの航行を実現します。これにより、燃料消費の最小化と定時運航の両立が可能となり、運航効率を飛躍的に向上させています。
荷役装置にも最新技術を導入、安全性と多品種対応力を強化
荷役設備にはスペロセイキ株式会社製の圧送装置(500t/h×2)と、スクリューコンベヤーを縦横に配置したシステムを採用。これにより多品種・高品質なセメントの安全かつ迅速な積み下ろしが可能となりました。荷役の制御運転にも重点が置かれており、品質管理と作業の安全性向上を同時に実現しています。
船員の快適性にも配慮した居住区
船内の居住エリアには全室バス・トイレ付の個室を完備。
さらに、トレーニングルームを設けるなど、長期乗船でも快適に過ごせる環境を提供しています。
船員の健康管理と福利厚生の充実を図ることで、労働環境の改善と人材確保にも寄与します。
脱炭素・省エネ・働きやすさを兼ね備えた船づくり
近年、海運業界では燃費効率の向上と環境負荷低減が求められていますが、「竜王」はその要請に応える最新技術を凝縮した1隻です。
セメントという社会インフラを支える基幹物資の輸送を、より効率的かつ持続可能な形で担う存在として、今後の内航輸送の新たなスタンダードとなることが期待されています。
令和7年6月26日(木)に、山口県立大学にて同学、山口大学、山口学芸大学の3大学が連携した「文系DX人材」育成教育プログラムの合同発表会が開催されました。
【DXによる地域課題解決(PBL)】に取り組む前に、企業や行政から直接地域の課題や企業の課題、及びその対策(解決策)について学ぶことを目的としたものです。
今回は主テーマを「地域学」とし、富士商グループホールディングスの「地域とともに進めるカーボンニュートラル」の取り組みについて発表を行いました。
資料はこちら ↓
【 地域とともに進めるカーボンニュートラル 】
この度、私たち富士商グループホールディングスが取り組んでいるSDGsについて、特設ページをリリースいたしました。
弊社は、山口県山陽小野田市を拠点に、エネルギー事業、カーライフ事業、運輸事業、産業廃棄物処理、商業施設運営、建設業など幅広い分野で事業を展開する中で、常に地域のニーズに応える取り組みを行っています。
SDGs特設ページでは、
今後も富士商グループが目指す持続可能な社会の実現に向けた取り組みや事例について発信いたします。